Docker設定手順
1. 目的
本ドキュメントはFRUCtoS配布パッケージを用いて、FRUCtoSを動作させるDocker環境を構築するための手順を説明した資料です。
本ドキュメントはソフトウェアのインストール、OSの環境設定など基本的なコンピュータ管理の知識とその操作権限をもつ方を対象としています。
また、Dockerの基本的な知識があるとより望ましいです。なお、Dockerのインストール手順は https://docs.docker.com (docker docs)という英語のサイトを参照していただくことになります。
例としてDockerを実行環境とする場合を記載しています。 他のDocker互換のコンテナ実行環境をお使いの方は、適宜読み替えてください。 設定ファイルも適宜書き換えてください。
2. FRUCtoS用Dockerを動作させるのに必要な環境
FRUCtoSをDockerで動作させるためには、LinuxベースのDockerコンテナが必要です。OSによって利用できるDockerエンジンが異なります。
https://docs.docker.com/engine/install/ (英語)を参照すると、各OS・ディストリビューション毎に説明があるので、そちらを参考にしてインストールしてください。
インストール対象のハードウェア(仮想環境の場合はVM)には2つ以上のCPU(論理数)と4GB以上のメモリが必要です。安定した動作には4つ以上のCPUと8GB以上のメモリを推奨します。
3. Dockerの構築手順
Docker Desktopを使用した場合のOS毎の事前設定を説明します。
3.1. Windows Server
事前設定
- Hyper-Vを使用します。「Windowsの機能の有効化または無効化」より「Hyper-V」を有効にしてください。
Hyper-VのVM上にWindows Serverを構築している場合 Hyper-Vを入れ子で使用することになります。 その場合には仮想マシン停止時に管理者権限のPowerShellで以下を設定し、仮想マシン上でもHyper-Vを利用できるようにする必要があります。
Set-VMProcessor -VMName <VMName> -ExposeVirtualizationExtensions $true
(<VMName>はHyper-Vで作成したVMの名前です)
Dockerのインストール
- Docker Desktop for Windowsのインストールパッケージを https://docs.docker.com/desktop/windows/install/
よりダウンロード(Docker Desktop Installer.exe)入手し、前記URLのドキュメントに従いインストールしてください。
- インストールが成功したらcloseボタンを押しインストーラを終了し、Docker Desktopを起動します。
- WSL2モードで起動しようとして失敗しますが、「続行」を押してください。
- 右上のウィンドウを閉じるXボタンを押して、エラーダイアログを閉じます。
- DockerDesktop画面の右上にある設定ボタンを押して設定モードにして、Generalの「Use the WSL2 based Engine」
のチェックを外してApply&Restartを押してください。Hyper-V Backendモードに切り替わり再起動されます。
Docker設定
- DockerDesktop画面の右上にある設定ボタンを押して設定モードにして、Resources AdvancedでMemoryを4.00GB以上にしてください。
3.2. Windows10
事前設定
- WSL2をインストールします。
参考:https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install - 管理者権限のPowerShellで以下のコマンドによりWSL2をインストール後に再起動してください。Ubuntuがインストールされます。
PowerShell
wsl --install
Ubuntuをインストールしたくない場合や上記でインストールできない場合
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」より「Linux用Windowsサブシステム」及び「仮想マシンプラットフォーム」を有効にしてください。
管理者権限のPowerShellで以下のコマンドによる設定も可能です。
PowerShell
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all - Linuxカーネル更新プログラム パッケージをダウンロードし、インストール(実行)してください。
https://wslstorestorage.blob.core.windows.net/wslblob/wsl_update_x64.msi - PowerShellで以下のコマンドによりWSL2を有効にしてください。
PowerShell
wsl --set-default-version 2
Dockerのインストール
- Docker Desktop for Windowsのインストールパッケージを https://docs.docker.com/desktop/windows/install/
よりダウンロード(Docker Desktop Installer.exe)入手し、前記URLのドキュメントに従いインストールしてください。
- インストールが成功したらcloseボタンを押しインストーラを終了し、Docker Desktopを起動します。
Docker設定
- DockerDesktop画面の右上にある設定ボタンを押して設定モードにして、GeneralのWSL2 backend engineがチェックされていることを確認してください。
そうでなければこれをチェックしてApply&Restartを押してください。
3.3. macOS
Docker設定
- DockerDesktop画面の右上にある設定ボタンを押して設定モードにして、Resources AdvancedでMemoryを4.00GB以上にしてください。
3.4. Linux
事前設定
- ディストリビューションに含まれているDocker関連のパッケージをアンインストールします。
Shell
sudo apt update
Shellsudo apt remove docker docker-engine docker.io containerd run
Dockerのインストール
apt
でインストールできるようにするため、aptレポジトリにDocker CEを登録します。Shellsudo apt install apt-transport-https ca-certificates curl gnupg lsb-release
Shellcurl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/docker-archive-keyring.gpg
Shellsudo add-apt-repository "deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/ubuntu focal stable"
Shellecho "deb [arch=amd64 signed-by=/usr/share/keyrings/docker-archive-keyring.gpg] https://download.docker.com/linux/ubuntu $(lsb_release -cs) stable" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/docker.list > /dev/null
- Dockerをインストールします。
Shell
sudo apt update
Shellsudo apt install docker-ce docker-ce-cli containerd.io